主人公は、宇宙開発を進める組織のエージェント。
新たに彼に下った指令は、少女(シータ)の暗殺と、その研究を破壊せよ、というものだった。
──その少女は我々の過ちであった。
彼に下された命令は、敬愛する上司の最後の遺言だ。
そう、上司は何者かによって殺されてしまう。
夢であった宇宙事業を成し遂げようとして、
途中で倒れてしまう上司…それは彼の心からの友であったのだ。
──ガチッ。
スライドを引き、弾を薬室に込める。
向けた銃口の先で、少女が淡い瞳を輝かせた時、彼は過去を振り返った。
無用ならば切り捨てる。
目前の少女と自分、そして殺された友の姿が二重三重と重なった。
少女に向ける銃口が自然と逸れてしまう。
だが、守れなかった友の最後が彼を責め立てる。
そうだ。
この少女を葬ってこその復讐なのだ。
彼は覚悟を決め、引き金を引いた。
そして時を同じくして…
三人の女賞金稼ぎ達がとある男の手配書へと目を通していた。
それは企業の研究所を破壊した賞金首…橘卓巳というSランクの手配書だった。
彼女達は莫大な賞金を掴み取るために、その男の痕跡を追う。
それが新たな時代にもたらされた影とも知らずに…